2014/06/30

ラダック視察旅行~4:伝説の純粋アーリヤ人の村ダーを目指して

【2日目】
早朝にアルチを出発する。西へ移動。まずは、アルチから国道に戻り、サスポル村に到着する。ここには、アルチ・ゴンパ内部の様に埋め尽くされた壁画が残る洞窟がある。この洞窟、車を止めてからかなりな急な上り坂を足で登らなければいけない。しかも崖なので気をつけて登らなければ危ない。登ってしばらくすると右側に比較的新しいサスポル・ゴンパが見えるが、洞窟があるの分かれ道から左側の急な斜面の方を登っていく。アルチからサスポルまで車で15分ぐらいだ。
景色が良い。

洞窟がいくつか並ぶが、壁画があるのはドアの付いている洞窟。
すごく美しい。保存状態も良い。
アルチ・ゴンパの内部と壁画は似ている。
写真撮影がOKなのでありがたい。
洞窟を見学した後はリゾン・ゴンパへ向かう。このゴンパは国道から5キロぐらい山の奥に入った所にある。尼僧院もあり、風情のあるゴンパだった。途中、道路整備がしてあったため、最後の1キロぐらいは車から降りて徒歩で行った。サスポルから車で30分ぐらいだ。

ゴンパの入り口。なんだか西遊記に出てきそうな感じだ。

ドライバーが今回は一緒に付き添ってくれた。
やはりこの時期は観光客も居なく、本堂は閉まっていた。
ドライバーが若い僧侶を呼んで、扉を開けてもらった。

扉を開けてくれた僧侶。

リゾン・ゴンパを離れ、次はインダス川沿い下流地域に向かう。この地域は別名Arya Valley(アーリヤ渓谷)とも呼ばれていて、ブロクパ族と呼ばれる民族が暮らしており、この人たちこそ伝説の金髪で目の青い純粋アーリヤ人では無いかと知られている。が、実際訪れると、確かに顔立ちはラダック人より彫は深い人たちが見かけたが、それでも金髪や目の青い北欧人みたいな人は居なかった。普通より少し彫りの深いモンゴロイドという感じ。

まずは途中、国道沿いにあるカルツェと言う場所でランチ。
この先にはレストランは無いので、済ませておく。
トゥクパだ。細いうどんのスープでさっぱりしている。

カルツェの様子。
ここから、スリナガルへ行く幹線道路とインダス川下流地域へ行く道が分かれる。
軍のチェックポストがあり、外国人はパスポートチェックがある。

幹線道路から分かれて道は細くなる。
インダス川沿いを右側に走っていく。
この日は生憎曇っていたが、
晴れていれば青く輝くインダス川が見えるだろう。

カルツェから走る事約1時間でスクルブチャン村に着く。ここは丘の階段を登ったところに古いゴンパがある。この地域は主要な観光名所が無く、観光客もあまり来ない感じがする。そのため、素朴で古いラダックの村という雰囲気がした。どことなく宮崎駿のアニメの世界に入った様だ。

スクルブチャン村の子供。

石畳の階段で登っていく。
結構急な階段だが、途中に民家などあって面白い。

階段沿いには沢山のマニ車があり、
その上にお経みたいなのが刻まれたカラフルな石が並ぶ。

スクルブチャン・ゴンパの内部。お坊さんが居た。
この辺から眺める村の景色は良い。

ゴンパから眺めるスクルブチャン村。

途中の民家のおじさんに写真を撮らせてもらった。
伝統的な冬のラダックの民族衣装だ。

子供達。

スクルブチャン村は普通のラダック人の村だが、その先からブロクパ族と呼ばれる人たちの村々が増えてくる。その中でも、最もブロクパ族の集落が大きい村がダー村。スクルブチャン村から車で一時間ぐらい走ったところだ。ダー村は事前にInner Line Permitと呼ばれる許可証が無いと訪れらない。これはヌブラや有名な湖、パンゴン・ツォへ行くときも必要だ。この許可証が必要な理由は国境地帯で容易に観光客の立ち入りを制限したいためだと見られる。特にラダックと接しているパキスタンと中国は領土問題などもある。

この許可証は容易に取得できるもので、自分で申請しても良いしレーの現地旅行会社が代行してくれる。僕たちの場合には事前にお世話になっている現地の旅行会社に頼んで作成してもらった。必要書類はパスポートだけだ。即日に許可証は下りる。

ただし、公用旅券の保持者はこの許可証は取得できない。どうしても行きたいという場合にはデリーの内務省で取得ができるが、すぐに下りず、何週間と掛かる場合もあるので、厳しいだろう。

ダー村付近。どんな村民が住んでいるか楽しみ。

道路から車を降りて15分程歩かなければならない。
周りは杏の畑だ。開花はしていなく、
あと1週間ぐらいずれていればさぞ綺麗だと思う。

ダー村。でも、あまり村民は歩いていない。
やはりまだ冬なのであまり外へ出ないのだろうか。

正直、あまり印象の無い村だった。ドライバー曰く、夏になると畑仕事に出る村民が多くて賑やかになるとの事。そもそも、何故この村に興味を持ったかと言うともちろん伝説のアーリヤ人とされている事にも興味を持ったが、独自の文化を保ち、外の文化とあまり混じらなかったと言う勝手にちょっとした秘境感を求めた。今ではほとんどのブロクパ族が仏教徒だが、他のラダックには無い習慣があるらしい。実際にダー村を訪れると他のラダックの村とは変わらないし、逆に失礼だが時期的なものなのかしなびた印象を受けた。

車へ戻る途中、歩いていたら女性を発見。
同僚のH氏が撮影しても良いか許可を求めると、
チップを要求された。

ブロクパ族は「花の民」とも呼ばれ、男女とも正装の際には頭に立派な花飾りの冠をする習慣がある。上記の女性も花はついていないものの、花を支えるためのカラフルな布がぶら下がっている。確かに、一般のラダック人より彫が深いかもしれないが、顔だけではあまり違いが分からない。

ダー村付近の道路でバスを待つ男性。
こちらの男性は目が青く西洋人っぽい顔立ちだった。

ダーを離れ、カルギルへ向かう事に。ダーから直接カルギルへ繋がるルートは、2010年まで外国人やインド人を含む観光客の立ち入りを一切禁止していた。この川の先にはパキスタンの実効支配地域があり、1999年にはこの地域で砲弾が飛び交い戦争もしている。こんな美しい場所で戦争なんて考えられないが、死者も出ている。チェックポストも多く、今でもちょっと緊張感が漂うエリアだった。

下流沿いに走るにつれ、標高も低くなっていく。
そして開花した杏の花も増えて来る。
標高は約2,700メートルぐらい。

インダス川沿いを走るのはバタリックと言うパキスタン実行支配地域間近の場所まで。そこから、インダス川はパキスタン領土内に入るので、先には行けない。道路はインダス川を越え、山道となり標高を上がっていく。この道がカルギルまで続く。高度が上がっていくにつれ、積雪も増えていく。そして、寒くなっていく。

標高3,700メートルぐらいに位置するラルン村。
周辺は雪だらけ。
なんで人間はこんな過酷な場所に集落を造るのだろうと思った。

道路沿いの景色。

自分達の車。トヨタさんの宣伝にならないかな?

ゆ~き~がふえていく~

そして峠に差し掛かった。ハンボティング峠。
この辺の案内はどんなに詳しいガイドブックでも無かったので、
秘境感たっぷり。

峠を超えると向こう側にザンスカール山脈が見えてくる。
谷間だ。谷間の麓に、カルギルがある。

雪山の上に建つモスク。
シルバーのドームが印象的。

そして山を降りてカルギルに到着する。カルギルの標高は約2,800メートル。前泊したアルチより標高が低いが、谷間に位置するせいかとても寒い!そして辺りはまだ雪が多く残っている。今まで空気が乾燥していたのにここは雨も降っていて湿気が高い。だから余計に寒く感じるのだろう。

カルギルはレーとスリナガルの丁度真ん中に位置する街。人口も、レーとスリナガルの間では一番多く、この2区間を陸路で横断する場合は大抵ここで1泊する。また、ザンスカールへ行く拠点の街でもあるので、ここの重要度は結構高い。ただし、外務省の安全情報によると一番危ないとされる「退避勧告」の地域だが、これはパキスタンの実効支配地域と近く、1999年にはパキスタン側の砲弾も受けて一時期は戦闘地域でもあった。それ以来は特に紛争も無いが、両国の緊張が高い場所ではあると思う。治安は悪くもなさそうだし、ホテルにはレストランが無いため近くのバザールまで夜食事に歩きに行ったが、問題無かった(ちょっと暗いけど)。

カルギルは住民のほぼ100%がイスラム教徒。民族的にも僕たち日本人の顔立ちをしたラダック人と言うよりも、カシミール人の血が入ったハーフと言う感じ。言葉はラダックとは異なるモスクは至る所にあるが、仏教寺院は無い。観光名所もあまり無く、あくまでトランジットの中継地として栄えている印象だ。なので、ホテルもラダックと比べると高いし、市内中心部のレストランへ行ってもメニューは4品ぐらいとあまり豊かな感じでは無かった。(スリナガルへ繋がる道路が峠の雪で閉まっているため食料が不足しているのは承知だが、同じ状況のラダックのレーではもっと品数も豊富だった。)

ホテルは冬でも唯一オープンしているシアチェン・ホテル。
僕たち以外に客は居なかった。
これでもカルギルでは老舗の最も設備の整ったホテルの一つだ。

バスルームは老朽化が目立った。
ギザは使えなかったので、ボーイにお湯を用意してもらった。
(観光シーズンになると使えるようにはなると言っていたが。)

ホテルからの景色。

翌朝撮影したカルギルの街の様子。
朝はこんな感じだが、日中や夜はもっと混む。

とにかくカルギルは寒かったので、持参した寝袋+ホテルの毛布で寝た。 翌日はスリナガル・レーハイウェイを経由してアルチへ戻る。

にほんブログ村 海外生活ブログ インド情報へ
にほんブログ村

ラダック視察旅行~3:杏の里アルチでゆったり

【1日目】

レー空港到着は07:05。標高は約3,500メートルある。到着後、レーには宿泊せず、車でそのままインダス川沿いを西へ下流の方向へ移動。レーから標高が低くなる為、この辺りは下流のパキスタン実効支配地域に至るまでLower Ladakh、和訳で下ラダックと呼ばれている。

レーの到着日は高山病のリスクがとても高い。飛行機で平地のデリーから一揆に富士山の山頂までの高さまで短時間で移動するので、体の慣れが追いつかない場合が多い。高山病は到着時よりも、到着後約6時間ぐらいしてから症状が表れると言われる。高山病の症状とは頭痛や息切れ、嘔吐など。体力がある・ないに関わらず、こればかりは体質なので本当にどうなるか分からない。

ただし、基本的に到着日は何もせず、ホテルで安静にして普段よりも多めに水分補給をすればだいぶ和らぐ事はできる。H2 Travelsでは絶対に飛行機で到着されたどんなお客様に対しても、絶対に初日に観光手配は入れない。高山病は命に関わる場合もあるので、絶対に軽く捉えてはいけない。

ダイアモックスという、高山病予防の薬は一般的だ。こちらはインドの薬局では手に入りやすいが、日本では処方箋が必要だ。到着日数日前から飲まなければいけない。個人的に薬は昔から飲まない主義なので今回もお世話にはなっていないが、利用される旅行者も多い。ただし、薬は薬なので副作用もある。うちの旅行会社としては何も意見を言わず医者と相談して下さいとさせて頂いている。一番安全で効果も比較的高いのは水をがぶがぶ飲む事だ。あとはしっかり睡眠をとる事。アルコール類は酔いが早いので、旅行前日も含めて旅行中は控えた方がよい。

高山病の説明で前置きが長くなってしまったが、1回以前の視察でダージリン郊外のサンダクプーへ行った時(ちなみに標高は約3,700メートル)、同僚のH氏が高山病に掛かって結構うなされていた。なので今回もH氏はかなり慎重。車でアルチへ行く途中も観光名所や絶景ポイントなどあるが、一切車から出なかった。僕はまぁそんなに無理をしなければ大丈夫だろうとちょっと楽観的になっているので、遠慮なく途中の名所で降りて階段も登ったりして観光した。

レー空港からアルチへ向かう途中、
インダス川を望むビューポイントがある。写真を一枚。

国道沿いにグルドワーラー(シーク教寺院)がある。
ラダックで仏教でもイスラム寺院でも無い寺院は珍しい。
ここには昔シーク教祖が悪魔を退治したと言われる石がある。
ターバンを巻いたお兄ちゃん達がチャイもサービスしてくれた。
極寒のこの地のチャイは普段飲むチャイよりも凄く美味しく感じた。

マグネティック・ヒルと呼ばれる場所。
目の錯覚で、車が国道の坂道を上に引きつけられる様に
上がる風に見えるらしい。

これがそのマグネティック・ヒルの正体。
自分にはよく分からなかった。

ところで4月中旬は綺麗に整備された国道沿いにほとんど車が走っていない!数分間に一度すれ違う程度だ。2014年は春が訪れるのが遅く、ラダックから外界へ唯一繋がっているカシミールとヒマーチャルの道が峠に積もっている雪で閉ざされている。そう、ラダックでは約半年ほど外界からの陸路のアクセスが閉ざされた陸の孤島となっているのだ。2013年ではすでに4月上旬頃にはカシミールへ繋がる峠は開いていたらしいが、今年はまだまだ先の話。結局、5月に入ってやっと開いたそうだ。なので、トラックもほとんど走っていないし、人口の少ない地元の人々が行き来するぐらい。

インダス川とザンスカール川が合流する場所。
サンガムと呼ばれている。
奥から流れる綺麗な水がザンスカール川、
左から流れているのがインダス川。
サスポル付近で幹線道路から別れ、
インダス川に掛かる橋を渡る。
数キロ先がアルチだ。

アルチ:標高は約3,100メートルとレーより若干低くなる。ここにはカシミール様式で建てられた珍しいスタイルのラダックで最も古い仏教寺院の一つ、アルチ・ゴンパがある。また、ここは4月中旬以降に満開になる杏の花見に最も適した場所でもある。ただ、今回は春の訪れが例年より遅いとの事もあり、実際花見を楽しむほど満開では無かった。若干咲いている花があったので、綺麗だった事は確かだ。レーからアルチは車で1時間半ぐらいと、割と近い。

今日はとにかく高度順応の日なので、ゲストハウスに到着後すぐに休む事にする。前夜興奮して眠れなく、また早朝5時台出発のフライトでもあったので、早い昼食を食べてからたっぷり睡眠を取った。

アルチで宿泊した宿の部屋。
普段この時期はオープンしていないそうだが、
僕たちのために開けてくれた。

ここが食事や温かい紅茶などを頂く居間。
ラダックスタイルだ!

レストランなんてこの時期営業していないので、
宿で3食済ます。この寒い時期外界から物資は来ないので、
ラダック内で採れる限られた野菜やストックを使用しての食事。
ダール、米、パニールの炒め物。
普通のインド料理だが、薄味でラダック風と言うのかな。
インド料理は得意な方ではないのだが、
ここの食事はとても食べやすかったし美味しく感じた。

睡眠後、体調も良好だったので少し散歩に出た。
ヒマラヤン・マグパイと呼ばれる野鳥が沢山飛んでいた。
開花前の杏のつぼみと一緒に。

宿の目の前はアルチ・ゴンパ。
これが入り口(内部は撮影禁止)。

柱に刻まれた仏陀の彫刻。

アルチの村の様子。
伝統的な村と言う感じでのどかで風情がある。
夏のシーズン中は多くの観光客が訪れる。

開花していた杏の花。桜みたいでしょ?

アルチ・ゴンパと杏の花。

マニ車と杏の花。

アルチ・ゴンパ内の杏の花。

アルチは細い路地が沢山入り組んでいる。

峠が閉じられていて物資がほとんど無いと聞いていたが、
村のコンビニみたいなところは結構色々置いてあった。

 明日は更に西へカルギルへ向けて移動。この日はゆっくりと休む事にする。

にほんブログ村 海外生活ブログ インド情報へ
にほんブログ村