2020/01/09

強情張りな日本メディア&ゴーン氏

昨晩は途中からゴーン氏の生演説とその後の記者会見をYouTubeで真夜中までずっと聞いていました。そして、その後の日本メディアの対応。

まず意外だったのが、これだけ日本で8日の夜に記者会見を実施すると騒いでいながら、実際テレビを付けると生放送をしていたチャンネルはテレビ朝日のみ。え、何で???しかも、テレ朝でさえ、すべてをずっと生放送で流していた訳では無く、一部のみ。

確かに日本のメディアで招待されたものは限られていたけど、他の国際メディアが流していたのをシェアできたはず。

明らかに。。。

「ゴーン氏が何を言うか分からない」

という風に捉えてしまいます。という事は、彼の発言をそのまま日本国民に聞いてほしくなかった、即ち恐れていた事でしょう。常識的に考えると、この様な重要な会見は生放送で流すのが普通(BBCやCNN等)。きっと日本にとって不都合な事がある事だったのでしょう。

驚いたのは、会見が終わった翌日(本日9日)は各チャンネルでゴーン氏の批判の嵐。。。しかも、どれも大抵主観的で、「日本の司法制度批判!」だけで片づけられている印象。せめて、彼が主張している司法制度の問題点をもっと触れようよ。「ゴーン氏は主観的だけで説得性が無い」という各コメンテーターの主張をよく聞きましたが、こちらからすれば「お前もだよ」と言いたくなります。

例えば、異常に長引く裁判や、まだ判決が下っていないのに「犯罪者扱い」、そして何よりも、取り調べ時に被告側に弁護士が同行できないのは非常に不利である。アメリカ、フランス、ドイツ、韓国等所謂「民主主義国家」であれば、最初の取り調べ時に弁護士がつくのは当たり前。これができないのは、中国等の独裁国家と一緒になる。この様なゴーン氏の挙げたポイントについては、残念ながら殆どテレビを見る限りでは取り上げらる事は無かった。日本側は感情的だったとしか感じ取れない。

もし、「正々堂々と日本で無罪を主張しなさい」なんて言っても、それがスムーズにできないから逃げたのでしょう。それだったら、各メディアも「正々堂々とゴーン氏の生放送を流して」と言いたくなります。

それよりも、10年以上前にゴーン氏が日産の会長になった際に日本全国が一斉に彼を現人神の様に例える集団行動が異様に感じた。人間、だれでも不完全だし完璧なのは居ない。当時、一切批判の声が無かった。

ところが、今になって、「いや、彼は大量のリストラを起こして被害者の家族が可哀そう」とコメントしている方多数居たけど、何で一斉に日本全国でゴーン氏を讃えていた時に言わなかった?後になってクレームを言う日本人の習性(シンガポール航空CAも言っていたけど)、これはとても卑怯だと思う。

ここまでメディアの質が低いとは思っていませんでした。。。

「日本が息苦しい」というのは正にこの点で、常に発言を気を付けなければならない、周りを(意味もなく)建てなければならないというのが異常な空気です。これが正しい方向であれば最高なんですが、今回の様に能力の低いコメントで対抗してさらにそれについて対抗できないこの空気が、正にゴーン氏の指摘をしているところ。

あぁ、戦後だからこうなの?戦前の日本人だったらもっと正々堂々としていたのでは無いか、と潔い日本人精神を失ったのも、やっぱりGHQの影響?と、色々と考えさせられました。いや、GHQ凄いと思う。75年経った今でも、「日本の発言力」を抑える力がまだ発揮されているのだから。

あの第一次世界大戦後のパリ講和会議で日本が世界に先立って堂々と人種的差別撤廃案を主張した精神はどこへ行ったの???

すみません、大分話がずれましたね。。。

肝心のゴーン氏は無罪を主張していますが、それはそれでそんなに説得力は無かった様に思えます。一応、オマーンルートやサウジの件に関しては自分以外の日産幹部の署名があった事を証拠に出してはいましたが。。。

そもそも、これは価値観の違いが多いに影響しています。会社のお金を横領したとしても、ゴーン氏は自分が会社の財政を立て直したのだから、これぐらいの事はやっても良いだろう、という意識があっても可笑しくないです。

彼は人種的にレバノン系アラブ人。まず知らなければならないのが、世界におけるレバノン人の存在。彼らは、その昔からアフリカやヨーロッパ、南米に商人として渡り、何代に渡り現地で活躍しています。だが、彼らの印象はあまりよくありません(少なくてもアフリカでは)。

初めて南アを訪れた時、オランダ系移民の友人がレバノン系はどんな手段を使ってでも金を儲け、高級車を乗りまくるんだ、と皮肉そうに言っていました。西アフリカにも多くのレバノン人移民が商売をしていますが、こちらも一般的には地元からあまり良い印象は無い様です。

そのような遺伝を持っているはずのゴーン氏。会社の予算を使っても、結果的に「自分が居なければここまでの会社の成長が無かった」と思えば、悪気が無いでしょう。ベルサイユ宮殿で誕生日パーティーを開催するのも、レバノン系の人々が求める華やかなライフスタイルを象徴している様であります。

そして、レバノン人であれば彼の意見に共感できるはず。なので、「逃亡」先を本人が活躍したフランスでは無く、両親の母国を選んだ理由がある訳です。

もう一点、ゴーン氏にとって許せなかったのは妻キャロルとの自由な面会が交信が許可できなかった事。アラブ人にとって、家族は命です。これは、核家族になりがちな日本人に理解しずらい事かもしれない。いくらキャロル夫人が不正事件に関与している疑惑あるとは言え、そこを制限してしまうのは家族である以上、人権侵害では無いでしょうか。ゴーン氏がどんな手でも出国をするのも無理はありません。

西洋社会で生きる中でゴーン氏は心の中で色々な葛藤があったはず。白人では無く、アラブ系という立場から色々な差別があったことだと思います。そこを重箱の隅を突っつく形で攻めまくる日本の検察。だから、一番最初にゴーン氏が発した言葉が日本の検察は「Cold」だったという事。

そして重要なのは、未だ日本の司法制度が検察側に力があり、ほぼ「強制的」に自首をさせられるケースが多い事。これはゴーン氏不正疑惑事件の前からよく聞く事でした。全体的にゴーン氏に非があったのは確かだと思うけど、それに対しての日本側の彼に対しての扱いも非常に疑問。

今回の茶番劇は、文化の違いからどっちもどっち?だと思います。ゴーン氏も少なからずは不正行為を行ったと自覚をしているけど、それを認める事に彼自身のプライドが許さない。現に、後半の会見で当初は笑顔を見せていたゴーン氏も数少ない選ばれた日本メディアからの質問の後は暫く焦っている様子が伺えました。無罪主張にも限界が見えるように。

対する日本も、司法制度の批判を恐れていたはず。どこかしら何かのシステムが可笑しいと気付いている方が多いと思われるけど、結果的にメディアではゴーン氏批判の嵐で解決して、どちらも自らの問題点に付いて触れない事は非常に似ていると思いました(笑)

ありがとう、ゴーンさん&日本の国(メディアを含む)よ、今回は色々と勉強させられました☆

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